「谷川俊太郎ワークショップに子どもの豊かな時間が流れた」

あたふたと机が足りないなどとおおさわぎをしながら、会場準備をするうちに、子どもたちと保護者の皆さん、そして、谷川さんが集合し、高橋香苗先生の司会で、会がはじまった。ぼくの挨拶と活動の諸注意を済ませ、別室で、ワークショップがはじまった。内容は、子どもの絵を素材の子どもが詩をかくというもの。全然こちらも経験がないため、様子をみながら、進行ということになった。子どもの様子をみながら、谷川さんに様子を聞き、アドリブで調整しながらおこなった。保護者の皆さんには、申し訳ないが導入後、参観をご遠慮いただいた。
谷川さんの話は、そっけなくていい。「読んで楽しいものを書いてください。」それだけだ。
子どもたちは、自分の絵の前の机を運んで、書き始めた。さらさら書く子、固まってる子・・・・。言葉を書く行為というのは、造形活動と違って、直接、変化が目に飛び込んでこない。ぼくには、独特の体験だ。
そのうち書き上る子どもが出てきて、谷川さんにみてもらいアドバイスを受けた。次々に、できはじめると列もできる。谷川さんは、丁寧にアドバイスをしていた。自分の詩を書く暇もないほどどんどんできてきた。はじめは、なかなかできなかった子どもも書き進めるうちにどんどんできてきた。時間をみるとあと30分。午前中には全員完成しそうだったので、昼食後、保護者の皆さんも参加して、自作の詩の発表朗読会をおこなうことにした。しかし・・・予想を超えて子どもたちはどんどん詩を書いている。すごいものだ。
昼食をとって、記念写真撮影後、順番で、誌の朗読がはじまった。
文字だけとちがって、声をともなう朗読はなかなかいい。内容もいいが、その子の感情やひととなりが、言葉とあいまっていい感じなのだ。そこにはいろいろなメッセージがふくまれるからだろう。
次々に子どもの詩の朗読を聞いているとほんとに、いい感じであった。緊張した高学年、哲学的な少年、かわいい少女、幼い一年生・・・・どれもがほんとにいい感じである。もちろん谷川さんの詩もよかった。
横をみるとあのこわもての時任先生が、涙ぐんでいるではないか。かなりジーンとくる豊かな時間がそこに流れたのであった。
最後に、高橋先生の司会でみんなで拍手。「谷川さん、なにかございますか?」「何にもないよ」最後もそっけない。そこが実にいい。ほんとに大事なことは、大仰(おおぎょう)にしなくとも、こころに残るのだ。といっているように感じた。
2年越しに計画を練ってきた「谷川プロジェクト」のワークショップが実現したが、そこには図工の新たな可能性をみつけることができたと思う、さらに、どうにかそれを「形」にしていきたいと考えている。プロジェクトはまだ続く。
参加していただいた子どもたち、保護者の皆さん、絵を提供していただいた先生方、プロジェクト実施スタッフ、会場を提供していただいたCCAAの鈴石先生、そして、谷川俊太郎さんには、このようなすてきな時間をつくるために、ご協力いただきありがとうございました。
ひつじ日和 2008年11月30日より



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