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関ブロ会報  No.2

2008.10.30 
発行:関東甲信越静地区造形教育連合 理事長 辻政博

挨拶

「関ブロ」のさらなる連携を

関東甲信越静地区造形教育連合
理事長 辻 政博

 今年開催される「関東甲信越静地区造形教育研究大会群馬大会」は、48回目を迎えました。「関ブロ大会」は、約半世紀渡って、この地域の造形美術教育を牽引してきました。
 多くの先輩方の造形美術教育を発展させたいという願いと努力によってここまで歩んできたと思います。
 群馬大会は、「新学習指導要領」「学習指導要領解説」が出た年に行われる大会となりました。
 様々な教育課題や問題を大会や会議、また、昨年から実施しはじめた「関ブロニュース」などを通して、問題を共有し、検討していきたいと考えます。
 3月の「告示」以前は、「図画工作科」「美術科」の時間数がさらに削減されるのではないか、という危機感が私たちを支配していました。告示の結果、とりあえず「現状維持」の状態となりました。
 けれども、安心はしていられません。他の教科授業時数が、軒並み「増」のなかでは、相対的にみて「減」と考えられます。さらに、中学校では「選択」が、美術の時間に繰り込めないので、美術教員の持ち時間数の関係で、専任の教員を置かない学校が増えるのではないかという危惧を多くの先生方がもちはじめています。
 平成21年度からの移行措置・平成23年の完全実施に向かう中で、図工科、美術科の具体的なあり方がどのようになっていくか、注意深く見守るとともに、造形美術教育のよりよいあり方に関する具体的な方策を協力して示していかなければならないでしょう。
 また、造形美術教育を支えていく教師の専門性の育成もまったなしの問題です。
 東京都図画工作研究会の調査によれば、5年後には、都の図工専科の教員は、経験年数10年以下の教員が40パーセントを占めると予想されています。
 団塊の世代の大量退職の後の造形美術教育を担う世代は一挙に若い世代へと移り変わります。他府県でもこうした事情は同じだと思われます。
 こうした意味でも、教師の専門性を高める場である関ブロ大会を継続し、発展させていくことは、一層重要であると言えます。
 造形美術教育の価値や意義を世間・社会に訴えていくとともに、内に向かっては、教師の指導力の向上をはかる場と機会を設定していかなければなりません。
 今、さまざまな価値観が激しく渦巻く現代社会において、何が、子どもの育ちにとって必要なのかが問われています。
 造形美術教育の人間形成に寄与する価値を信じながら、私たち関東甲信越静地区造形教育連合に参加する皆様の連携がさらに深まっていくことを願います。
 10年後の改訂にむかって、造形美術教育の新たな道のりがすでにはじまっています。

群馬

群馬県における研究会の取組と課題

群馬県造形美術教育研究会
会長 尾内  理樹

小中の連携を視点に研究会や運営の在り方を見直し、平成十四年度から大会テーマを「自分らしさ つくりだす力 いきいき造形」とし、造形美術教育の改善充実に取り組んで
きた。今年度は関ブロ高崎大会を本研究会のまとめと位置づけ開催に向けて準備をしている。

一 中核となる活動内容

今年度は関ブロ大会を開催することが主たる活動であるが、例年は年間2回の研修会(夏期研修会、秋期研修会)を核として造形教育研究会の活動に取り組んでいる。夏期・秋期
研修会の内容は次の通りである。

◇「夏期研修会」(本部主催)

小中の連携に視点をあてた、小中合同の6分科会として運営している。

  1. つくりだす力としての基礎・基本
  2. 素材との豊かなかかわり(素材)
  3. 自分らしい表現(個性・感性)
  4. 表現の広がり(創造性)
  5. 自分らしい見方感じ方(鑑賞)
  6. いきいき造形としての評価

◇「秋期研修会」 (各地区で担当)

地域の実態に応じた授業と作品展を公開し、全体会では本年度の成果と課題を確認し次期開催地に繋いでいる。

二  現状と課題

・年間2回の研修会を柱に造形美術教育の充実に取り組んできたが教師の多忙観等が重なる中で、参加者の確保が難しくなっている。また、研修会が半日日程のため十分な意見交
換にならない。
・学級数が減少する中で、特に中学校では美術担当を非常勤で対応する学校が増え、主任会としての組織力も低下し、従来の活動を維持することも困難になっている。また専任教
師の配置も地域により大きな差があり、地域の輪番制で進めてきた研究会の開催も難しくなってきている。
・研究会の運営は附属小中にある事務局を軸として機能してきたが、附属が法人化になったことで事務局としての対応が難しくなっている。
・児童生徒の表現活動の課題として、各学年での指導の系統性、小中のギャップが依然として大きな課題である。

三 新しい取り組み

・退職した先生方を中心に「群馬の美術教育を語る会」が発足し、造形教育を外から支える取組が行われている。活動としては年二回の講演会・研修会を軸に、本県が抱える造形教育の課題に視点を当てた活動が行われている。現在六十名程度の会員で組織され、昨年度は聖徳大学の遠藤先生、文科省の奥村先生に講演を頂くなど学校教育と直結する研修会となっている。また退職された先生方の手元にある児童生徒作品の活用方法も検討されている。
・今回の関ブロ大会に向けて再構築された組織力を今後の造形美術教育研究会の新たな充実に向け生かしていきたい。

千葉

千葉県教育研究会造形教育部会の活動

千葉県理事 大古場 文夫

一 研究テーマ

きらめく感性 ときめく思い うみだせアート

二 主な活動概要

 千葉県教育研究会造形教育部会は、県下25支部で組織され、各支部を6ブロックに分け、もち回りで毎年研究大会(6月)と研究発表大会(11月)を開催している。
 研究大会は、研究主題、研究計画および研究内容の吟味と共通理解の場であり、研究発表大会は、大会開催支部の会場校において公開授業と各支部からの研究実践提案を行い、
協議を深めている。平成20年主な開催行事を次に掲げる。

1・千葉県造形教育部会研究大会

期日
6月27日(金)
会場
千葉市立桜木小学校
講演
佐倉市教育委員会 永山智子学芸員
演題
「美術館に行こう!  鑑賞を楽しもう!」

2・課題別研修会

期日
8月1日(金)
会場
千葉市立桜木小学校

部会別(造形遊び、表現など6部会)に、研究発表大会の提案の骨子について研修を深める。

千葉県造形教育部会研究発表大会

期日
11月28日(金)
会場
千葉市立幕張中学校
講演
文部科学省教科調査官  村上尚徳先生
演題
未定

三.第62回全国・第49回関ブロ研究大会千葉大会に向けて

 8月4日(月)全造連大阪大会において引き継いだ大会旗のもと次期開催に向け、千葉県教育研究会造形教育部会の組織を中心に研究の一層の深化を目指している。
期日

  • 平成21年11月25日(水)〜 27日(金)

会場

  • 千葉県教育会館 千葉市立幕張中学校 千葉市立幕張南小学校 千葉県立幕張総合高等学校、私立磯辺白百合幼稚園ほか協議会場予定校

日程

  • (一次案内)
  • 25日(水)
    • 全国大学造形美術教員養成協議会全造連大学部会総会 
    • 大学研究発表会 
  • 26日(木)
    • 都県代表者会議 校種別会議
    • 全体会 記念講演(講演者未定) 全国代議員会
  • 27日(金)
    • 公開授業 分科会
    • および各都道府県研究発表

※大会事務局
千葉市立金沢小学校 小高玄一
電話〇四三(二九三)二八〇〇

茨城

茨城県の研究及び活動

茨城県理事 関 晃

一 研究主題

ひろがり深まる確かな創造活動を目指して

二 研究主題について

 本県図画工作・美術教育研究部では、平成16年度より「ひろがり 深まる 確かな創造活動を目指して」を県の研究主題として研究を進めている。「ひろがり 深まる」には、学校教育の中で行われる創造活動での学びにより、子どもたちがつくりだす喜びを感じながら、「よりよいものをつくりだしていきたい」「自分の感覚をより研ぎ澄ませていきたい」といった生き方にかかわる学びにまで、ひろげ深めていきたいという願いが込められている。そして「確かな創造活動」には、そういった学びを、教師と子どもが共に、実感できる授業を目指していこうとする思いが込められている。

三 研究内容

 本県研究部の最大の特徴は、県の研究主題の具現化を図るべく、県内五ブロック(県北・中央・県東・県南・県西)が、それぞれの地域の実情に即して研究を推進しているところにある。その成果を発表する場として、二年に一度、会場を県内五ブロックの持ち回りにより、研究大会を開催している。また、本県の図画工作・美術教育の現状把握と、これからの指導の指針を探るために、県内郡市ごとに選出された研究調査員により、情報交換会、実践発表会、アンケート調査等を行っている。ここで発表された実践については、指導事例集としてまとめ図工・美術に携わる先生方に紹介している。さらに、各種造形教育団体等との連携を図り、コンクールや展覧会といった児童生徒が造形活動の成果を発表できる場を積極的に設け、造形教育の可能性を追求している。これらの事業等の成果と課題は、年度末に広報誌としてまとめ、県内全小中学校に配布し、これからの研究や指導力の向上に生かせるようにしている。

四 本年度の主な活動

  • 郡市部長会及び研修会  (5月・2月)
  • 夏季実技研修会(8月)
  • 研究調査委員会(8月・2月)
  • ブロック別研修会 (来年度、つくば大会の開催を予定)
  • 県小中学校芸術祭美術展覧会への参加
  • 部報第38号の発行

五 研究部役員(一部)

部 長
関  晃 (東海村立白方小学校長)
副部長
秋山清秀(ひたちなか市三反田小学校長)
鈴木利昭 (北茨城市立関本中学校長)
舘 亮幸 (鉾田市立新宮小学校長)
沼尻正芳(つくばみらい市立伊奈東中学校長)
中島健二 (結城市立城南小学校長)
事務局
安田和人 (茨城大学教育学部附属小学校)

埼玉

埼玉県美術教育連盟 三つの特色ある活動

埼玉県理事 石田 拓喜

 埼玉県美術教育連盟は埼玉県内の小・中学校の図工・美術教育の教職員で組織された埼玉県の図工・美術教育の振興を図ることを目的とした組織です。結成以来今年で六十一年を迎えました。これまでの先輩諸氏が築いてこられた本連盟の歴史を受け継ぎ、子どもたちの豊かな成長を願い活動を展開しています。

○三つの特色ある活動

本連盟の主な活動は、美術教育に関する調査研究、研究大会や児童・生徒美術展の開催、関係機関・団体との連絡調整等があります。その運営の三つの特色について以下に紹介いたします。
 一つめは、組織の構成から、研修会、研究大会、展覧会等の場面で小・中の先生方が常に同じ土俵で協力して活動や研究を展開していることです。このことにより、小・中学校を通じた、子どもたちの学びの系統性や発達課題に応じた題材研究が必然的に行われ、小・中学校の交流が盛んなことです。
 二つめは、毎年二回の造形教育研究大会を開催していることです。研究主題は、テーマは『つくる 心躍る瞬間(とき)〜「確かな育ち」と「贈る心」を実現する造形教育〜』です。この二回の大会はそれぞれ特徴を持った、現場の先生方に寄り添った研究大会です。
 毎年夏休みに開催する一つめの大会が「創造体験研修会」です。この会は、先生方による具体的な作品づくりを通して、素材の可能性を追求したり、題材を開発する参加者主体の体験型研修会です。題材開発につなげることが、一般の実技研修会と大きく違うところです。
 毎年11月に実施する二つめの大会が、「小・中授業研究会」です。この会では、先の創造体験研修会の成果を受けるとともに研究授業を実施し、また県内各地からの提案発表を基にした分科会協議を行っています。ここでも小・中学校一緒に行っています。
 三つめは、造形教育研究大会や展覧会を県内5ブロック10地区により持ち回りで開催していることです。全県を組織して連盟が取り組んでいる展覧会は「県児童生徒美術展」「郷土を描く美術展」「身体障害者福祉のための美術展」の三つです。「県児童生徒美術展」は昨年度より県内十地区開催の後、更に埼玉県立近代美術館に集結し額装して「中央展」を始めました。常にいずれかの地域がこうした活動を担っていることで、各地域が組織や活動の上で活性化し、県全体が活性化することを目指しています。
 今後は、研究内容の充実を更に目指すとともに、本連盟の取り組みがより多くの方々に知ってもらえるよう情報の発信にも力を入れていく予定です。

山梨

山梨県の研究および活動

山梨県理事 笠井 英司

一 山梨県の造形教育研究の現状

 県内の小学校の主として図画工作関係教師と中学校の美術教師で組織している山梨県造形教育研究会を中心にして、保育園や幼稚園の保育者や、さらに高等学校の美術教師と連携した同心円のような山梨県造形教育連合をもって組織しています。 二つの組織ともそれぞれが普段から造形教育活動を意欲的に取り組んで、その成果を年度末の合同研究大会で相互に補完しあう形で発表しあっています。

二 山梨県造形教育研究の課題

 山梨県造形教育研究会は、県内全体の小中学校図工・美術教師で組織しているため、それぞれの地域でどのような造形教育研究をしているのか、その内容把握と連携が課題となっています。
 また、山梨県造形教育連合は、関ブロ造形教育研究山梨大会に向けた研究組織とタイアップしているので現状を継続しながら、さらに発展できるような取り組みが求められています。

三 山梨県造形教育研究の活動計画

 山梨県造形教育研究会の活動では、年間を通して実践提案と研究協議を内容とした2回の研究会、また、講演会と実技研修を中心にした春季と夏季の2回の研究会があります。
その他に特別企画として「甲斐のぼこんとうよっちゃばれ展」と銘打った児童・生徒の表現過程を重視
した作品展を毎年県立美術館で開催しています。

四 山梨県造形教育研究の活動報告

 山梨県造形教育研究会の活動報告は、今年で40号になる「山梨の造形教育」の冊子で把握することができます。その年度に実施した研究大会の記録や講演内容を分かりやすくするために写真や図表なども取り入れたり、各郡市の造形活動の報告では、研究テーマや目的、内容と方法、成果と課題を視点にして特色ある活動や実践報告としてまとめたりしています。さらに、県下の授業実践の紹介を実践者の「顔の見える実践」ということでイラスト入りで親しみのある授業役立つ活動報告となっています。
 また、山梨県造形教育連合の活動報告は、関ブロ造形教育研究山梨大会の研究紀要や報告書の中でこれまでの活動内容をまとめた形の活動報告になっています。

五 その他
 山梨県立美術館では、たくさんの教育普及事業を実施し、学校との連携を視野に入れ、職場体験の受け入れをしたり、実際に学校を訪れて授業・講演などを行って、教育と結びつけたイベントをたくさん用意しています。事業では、・「小中高美術館訪問オリエンテーションと出張授業・職場体験」・「教師の鑑賞研究会」・「美術館鑑賞教育及び実技研修」・「夏期鑑賞教育ー美術館に行こう—夏休みフリーパスポート(県内小中学生全員に配布)」・「新みなび—参加型教育美術展—」・「キッズ・プログラム」・「ワークショップ—夏休みワークショップ」・「造形広場」・「創作教室」・「美術講演会—ギャラリートーク」・「美術館コンサート」・「貸し出しキャビネット」・「30周年記念事業—親子で美術館を一日楽しむ会」の13の事業を展開しています。

静岡

静岡県美術教育研究部の活動

静岡県理事 堀 則雄

 本県では、年に3回の研究委員会の開催の中で、各地区の取り組みについて実践や成果の報告を出し合い、課題の検討などを行なっている。
 また、毎年、夏季研究大会を設け、県内を3ブロックに分けた持ち回り制で会場を担当し、県内の部員が一堂に会する中で研究実践を学びあう場を設けている。今年度は、西部
地区が担当となり、市町村合併によって80万余の大きな都市となった浜松市が中心となって、夏季研究大会が開催された。

《夏季研究大会浜松大会を振り返って》

<テーマ>
「『本物の楽しさ』を追求してみませんか〜造形教育から発信する学びの原点〜」

期日
8月8日(金)
会場
浜北生涯学習文化施設「なゆた・浜北」
参加数
260名
内容
午前   全体会【ワークショップ】

1・ふしぎ・びっくりがいっぱい(素材)

2・観て、触れて、感じて (鑑賞活動)

3・光・音・風となかよし(自然)

4・おらがまち『浜松』から (地域文化)

午後   分科会

本年度の大会は、「『本物の楽しさ』を追求してみませんか〜造形教育から発信する学びの原点〜 」のテーマのもと、県内各地より多数の参加者が集まり、盛大に行われた。
浜北生涯学習文化施設「なゆた・浜北」を会場として、来るべき新指導要領の改訂を見据え、今後の図工教育のあり方を考えていく大変充実した大会となった。
 午前中は、従来の講演会に替えて4つのワークショップが行われた。第1分科会「不思議・びっくりがいっぱい〜誕生!豊かな素材が育む造形活動」では新素材や地域素材の活
用を出店形式で体験し、第2分科会「観て、触れて、感じて〜発見する鑑賞活動」では現代作家の作品を実際に鑑賞してのギャラリートークやミニ庭園作り、第3分科会「光・音・風となかよし〜自然と造形が奏でるシンフォニー〜」では大量の粘土によるオブシェや風鈴づくり、第4分科会「おらがまち『浜松』から〜地域文化をつなげる造形活動」では地域の特徴を生かした包装紙づくりやアボリジニアートを使った共同制作が展開された。ワークショップを「子どもと教師が伸びる場」ととらえ、教師・地域の子どもたち・保護者に当日の参加者も加わり、共に楽しみながら活動していく中で『本物の楽しさ』が追求されていった。
 午後は、ワークショップの流れを生かした4つの分科会に分かれ、それぞれの研究部から熱のこもった実践が発表された。後半の話し合いでは、活発な意見交換がなされると共
に、図工・美術教育において日頃感じている悩みや疑問なども出されるなど、県内各地の先生方と情報交換や交流を深めることができた有意義な分科会となった。
 大会全体を通し「図工・美術教育は、『生きる力』の根幹を成すものである」と大会参加者に改めて強く印象づけた大成功の大会であったと言えよう。
 今大会の開催に際し、浜松地区の先生方には、準備や研究に大変なご尽力をいただいた。深く感謝申し上げると共に、大会報告とさせていただく。

新潟

新潟県美術教育連盟の活動

新潟県理事  野川  彰夫

新潟県美術教育連盟では、平成21年8月21日(金)、新潟市を会場に「第27回新潟県美術教育研究大会下越大会」を開催します。 新潟県では、2年に1度開催される研究大会で
す。この8月、第1回の実行委員会を開催したばかりで、まだ未定のことも多いのですが、テーマ等についてお知らせします。

[大会テーマ]

"ひらく  かかわる 感じる  輝く"
「心豊かにたくましく生きる力を育む造形教育の在り方を求めて」

[大会コンセプト]

 第27回の研究大会は、前回の上越大会の方向性と新指導要領の提言を取り入れ、発展させた研究大会を目指す。
  新指導要領では、「生きる力を育む」という理念は変わらず、実体験重視等の手立ての見直しや工夫を一層進めることが提言されている。図工・美術でも、中学校において「美術文化についての理解を深めること」が加えられた以外は「基礎的な能力を培い・伸ばすこと」、「豊かな情操を養うこと」を目標とすることには変わりがなく、現在までの造形教育の問題点を踏まえた教育内容・方法の見直しや工夫を進めることが希求されている。
 私たちは、造形教育の問題点として、目標と手立ての関係から、子供たちの情操を養う手立てが十分講じられていないというとらえに立ち、研究を進めていく。

○コンセプト

  • 主体的な創造活動を通して、子供たちが心をひらき、情操を培い高めることを目標とする。
  • 社会や地域、人、自然との主体的なかかわりを促す活動を重視する。
  • 可能な限り、学社民融合によるひらかれた教育を指向する。
  • 県美術教育の振興を図るため、各団体・組織相互の連絡調整(かかわり)を密にするとともに、次代を担う、図工・美術教員の人材育成に資する大会とする。

○文部科学省初等中教育局教育課程課教科調査官  奥村  高明氏の講演

講演は、造形教育の今日的な課題及びこれからの新指導要領の方向性を語っていただく予定である。

○にいがた「水と土の芸術祭(仮称)」 2009

 新潟市は、2009年に水と土をテーマとした大々的な芸術祭を計画している。大会を外にひらくということから、当研究大会の全体会において「水と土の芸術祭」のプレゼ
ンテーションも計画している。

神奈川

関ブロ・全造連大会開催時の活動母体となる神奈川県造形教育協議会  (神造協)について

神奈川県理事 八ツ橋 洋一

 神奈川県造形教育協議会は、神奈川県内及び県外の造形教育研究諸団体と連絡を密にするとともに、各研究会及び各個人の研究を深め、もって造形教育並びに社会文化の向上を
図ることを目的として設立されたものです。
 横浜国大の故小関先生が中心となって運営された昭和48年の関ブロ神奈川大会終了後に、次期関ブロに向けた準備委員会の母体となる組織として、昭和49年3月に発足したものです。
 本協議会は、県特別支援教育研究会、県公立幼稚園協会、県私立幼稚園連合会、県小学校教育研究会図画工作部会、県公立中学校教育研究会美術部会、県高等学校教科研究会美術・工芸部会で組織されています。全造連大会や関ブロ大会の開催時には、連携、協働の活動母体として組織的なつながりを深めてきました。平成17年度には、当時の神造協会長木川田先生を中心にして、第58回全国造形教育研究大会及び第45回関ブロ神奈川大会が、横浜を主会場して開催されたのは記憶に新しいところです。
 上記の各会では、それぞれの目的に沿った取り組みがされています。県小学校教育研究会図画工作部会は、横浜、川崎、横須賀、川東(相模原、逗子、葉山、三浦、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎・寒川、大和、座間、海老名、綾瀬)、川西(平塚、小田原、秦野、伊勢原、中郡、厚木・愛甲、南足柄、足柄上、足柄下)の5ブロックに分かれており、総会で各地区情報交換、協議を行うとともに、輪番で県中央大会での研究実践提案、協議を通して、県下造形教育の充実、推進に向けた取組みを進めています。
 相模原市の小中全109校による野外作品展「造形さがみ風っ子展」、横浜市小中高等学校513校全校の造形作品を一堂に会した横浜市教育文化センターでの「横浜市児童生徒作品展」、川崎市の市民ミュージアムでの「創造する子ども展」など、日々の造形教育の実践は、充実した児童生徒作品展にもその成果が表れています。
 県下には、県立葉山美術館、横浜美術館、横須賀美術館、川崎市民ミュージアム、岡本太郎美術館、平塚市立美術館、茅ヶ崎市立美術館など、充実した美術館が多数あり、各美術館と小中学校が連携した授業実践など、年々結びつきが深まっていることは喜ばしい限りです。
 これからも、特別支援学校を含めた県下幼保小中高等学校の連携を深めていくとともに、県下各地区のつながりを深めていくことができるように、一歩一歩前進していきたいと考えています。ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

栃木

栃木県の造形教育の現状について

栃木県理事 小林利明

 本県では、各校種の研究組織代表を構成メンバーとする「栃木県造形教育連絡協議会」が、幼・小・中・高全体を通した美術教育の推進組織となっている。各校種の研究組織はそれぞれ、幼稚園は、「栃木県幼稚園連合会」、小学校は、「栃木県小学校教育研究会図画工作部会」、中学校は、「栃木県中学校教育研究会美術部会」、高等学校は、「栃木県高等学校美術部会」である。各研究組織の現状等について以下に紹介する。

幼稚園:「栃木県幼稚園連合会」

本会では、県内幼稚園教諭の資質向上や経営の安定等を目指して、各種研修会の開催や広報活動、振興活動を行っている。団体の中では、教育研究委員会が中心となり、様々な研修を開催しているが、毎年、保育に役立つ実践的(実技的)な研修を「保育テクニカル講座」で3回にわたり開催している。

小学校:「栃木県小学校教育研究会図画工作部会」

 今年度の研究主題「自分らしさを生かして造形活動に取り組み、互いのよさを認め合う心豊かな子どもの育成」のもと、県内九支部で、それぞれに実技研究会、講演会、指導案検討会、授業研究会などの研修会、児童や教師の作品展を実施している。支部長会議は、年二回開催し、今年度の研究主題の設定、研究計画の立案のほか、各支部の情報交換などを行っている。図画工作部会の研究大会は隔年で実施しており、来年度開催の予定である。担当支部では、今年度から本格的な準備に取りかかることとしており、研究を進める過程では本部役員・事務局員などが地区の研究を支援していく予定である。今後、新学習指導要領の全面実施・移行を目前にして、その趣旨の徹底、具体化のために、部会としても組織の強化を図っていく考えである。

中学校:「栃木県中学校教育研究会美術部会」

 毎年、部会の研究テーマを設定し、それに基づいて地区ごとに研修会等をもち、特色ある活動を展開している。各地区間の情報交換は、年3回の地区代表者会議で行われ、美術部会報としてまとめている。また、各地区に研究員を選任し、研究委員会を組織して、より良い授業を目指して研究を積み重ね、その普及にも努めている。美術部会研究大会を年1回開催している。
 今年度の研究テーマは、「生涯の生活に生きる美術教育の創造」

高等学校:「栃木県高等学校美術工芸部会」

 5月に総会及び講演会を開催している。講演会には、舞台芸術家「ひびのこづえ氏」、東京芸大准教授「佐藤時啓氏」、漫画家「ちばてつや氏」など、毎年著名な講師を招いている。6月には、「小杉宝庵記念美術館」などの美術館視察を、7月には「モデルを使った人物画」などの実技研修会を開催している。また、11月に宇都宮市美術館との連携により、鑑賞教育の授業研究会なども開催し、12月には会員作品展を県総合文化センターで4日間開催している。1月には陶芸家「藤原郁三氏」によるワークショップ「陶壁の実際」など、教科教育研究会も行っている。また、生徒を対象に、実技向上及び各学校との交流を目的として実技講習会を開催するほか、「栃木県高校美術展」を開催するとともに、県代表作品を選出して「全国高等学校総合文化祭美術工芸部門」にも参加している。

長野

子どもの「感性の海」を育てる               

長野県理事  丸山陸雄

本会の会長として3年間務め大きな成果を残した寺島頼利先生が退任し新たな組織で長野県美術教育研究会が発足した。
 前会長は、他府県や美術館との連携を大事に築いて来た。これを引き継ぎさらによりよい発展を図っていきたい。
 本年度も意欲的に美術教育を学ぼうとする教師が入会し、会員数は374名となった。若い教師が、図工美術教育の実践者として力をつけるよう、県内の16支部では授業研究会を設定したり表現を通して子どもの姿をみつめ合う作品審査会を行ったりし、研究を進めている。

「感性の海」をテーマとして        

 長野県美術教育研究会では、図工美術教育で、どんな子どもを育てるかという根本に立ち返って考えることを常に大事にしてきた。
 人間教育の根幹を担う教科であるという気持ちをもって取り組んできたことが、歴代の大会テーマや取り組みからもとらえることができる。
 平成7年度の全造連下伊那大会では「いのちにふれる造形教育〜つくるよろこび 自分らしさの表現を求めて〜」をテーマとして取り組んだ。
 平成18年度全造連長野大会では「私っていいな!!“いろ・かたち”生きあい 学びあい」。昨年度安曇野大会では「私っていいな!!ちょっといいじゃん、この色、この形」をテーマとし、造形活動を通してその子の自己肯定感を育てることをめざして友と学び深め合う学習を追求した。
 本年度の下伊那大会では「感性の海 こころみつめこころ伝え合う」をテーマとして取り組む。
 子どもは、生まれながらにして海のような豊かな感性を持っている。子どもが自分の感じ表したことを見つめ、友と伝えあい、共感し合うことでいっそう豊かな感性を心に満たせるようにしたい。こころみつめこころ伝え合う図工美術教育を通して、子どもが生きる勇気と自信が持てるようにしたいと願っている。  
 感性を引き出すのは、教師のもつ感性である。子どもの美的造形的感性を育てるには、教師が感性を磨くことである。
 美術教育に携わる私たち教師のありようを見直しながら、美術教育を考えていきたいというねがいを込めて取り組んでいきたい。                 

美術教育実践展を新設

 本年度、県児童生徒美術展覧会に造形遊びや造形活動の制作過程を評価する部門を設けた。子どもや教師のアイディアある造形活動の姿を写真や単文で紙面にに構成して出品するのである。        
 従来の展覧会が創造活動の発展を規制してしまっているという問題を打開するための画期的な企画である。

東京

造形・美術教育の一層の充実を目指して

東京都理事 牧井直文

 東京都では、造形・美術教育の振興や教員相互の研究交流を進める目的で、校種別に研究団体が組織され、それぞれに活動を行っています。主な団体としては、東京都図画工作研究会(都図研)、東京都中学校美術教育研究会(都中美)、東京都高等学校美術工芸教育研究会(都高美工研)などがあります。また、学校種を超えての連携を図るため、東京都造形教育協議会(都造協)が組織され、幼稚園、特別支援学校、大学等も含めた取り組みを進めています。
 東京都図画工作研究会の活動は、年1回 研究大会(都図研大会)を開催するとともに、実践を基にした授業研究、図工の専門性強化を目指した研修の推進、図工教育のあり方や方向性についての検討、都図研ニュースやホームページによる情報の発信など、密度の濃い取り組みを続けてきており、各方面から高い評価を受けています。また、今年度で研究会創立60周年を迎えるため、記念事業の計画も進行中です。
 東京都中学校美術教育研究会も、年1回研究大会(都中美大会)を行う他、美術館や研修センターなどとも連携して研修機会の拡大を図り、美術教育の充実と授業力向上に努めています。また、会員の作品展示会などを実施し交流の場としています。
 東京都高等学校美術工芸教育研究会は、東京都の組織改革の流れの中で、自主参加の任意団体として位置づけを変更されましたが、造形美術の専門家として質の高い授業実践を進めるため、継続的に研究活動を行っています。今年度は、学習指導要領改訂に伴う移行措置の概要が示されたこともあり、各研究会ごとにその対応が始まっています。都図研や都中美では文部科学省や教育委員会主催の説明会と並行し、独自に研修会を設定、改訂内容と学習活動のイメージが一致するよう理解の促進に努め、改訂のポイントを押さえた新たな実践を進めています。
 以前より心配されていた図工・美術の授業時間数について、今回の改訂では何とか現状を維持することができました。しかし、厳しい状況が解消したわけではありません。中学校では選択授業が削減されたことから、実質的な美術授業の減少につながっています。このような中、教科としての図工・美術の果たす役割を高め、今後の展望を開くため、各研究会ごとに取組の活性化が期待されています。 
 今日、社会の変化とともに子どもたちの興味や価値観も大きく変わってきています。そして、造形・美術教育のあり方も今までとはちがった発想が求められつつあります。また、その一方で、教育における造形・美術の役割や必要性について、社会的な理解が十分に得られていない実態もあります。私たちは、こうした現実を率直に受けとめ、日常の授業改善を進めて、美術の重要性を広く啓発していくことに努めていかなければなりません。各研究会の活動に、より多くの参加を呼びかけ、課題を共有し、相互に学び合い、造形・美術教育の一層の充実を目指していこうと考えています。

編集後記

関東甲信越静地区造形教育連合
事務局長  本間 基史

本間2.jpg 各県の理事の皆様には、お忙しい中、原稿をお寄せいただきありがとうございました。今後も紙面をとおして各県の情報交流の場としていきたいと思います。よろしくお願いいたします。